2021年度
「自立援助ホーム支援助成」
助成選考結果のご報告

今年度も本助成事業に対するみなさまのご理解をいただき、28件のご応募をいただきました。ありがとうございました。本年も、ヒアリングは実施せず、応募団体の皆さまからの申請書と審査委員の疑問点をメールにてお問い合せするなど、慎重に審議をさせていただき、2021年度Shinjoプロジェクト 自立援助ホーム支援助成の助成団体を以下のとおり決定させていただきました。

審査委員コメント

関西大学 山縣文治先生
自立援助ホームのような日常生活に関わる実践現場においては、子どもたちは無論のこと、事業者にとっても、スタッフにとっても、2020年度は大変な一年であったことと思います。2021年度になればという期待も、現状においては楽観できない状況です。
昨年度助成も、設備や機器に関わるものについては順調に予算執行されたものの、対面型の事業や、移動を伴う事業の一部は予算執行できず、一部返金などの事態も発生しました。事業を期待していた子どもたちを含め、関係者の皆様方の胸の内を察するところです。
最近の申請の特徴なのですが、機器・什器・備品の入れ替えや、住宅改修にかかわる申請が多くなっています。審査をする立場としては、「もっと、子どもの生活を豊かにする事業に」という思いも強いのですが、申請書の中身をみますと、環境の厳しさ、なかには生活空間としての危険性さえうかがわせる内容が多く、助成の必要性を強く感じている次第です。
とりわけ、今年度の申請では、非常に残念な出来事がありました。住宅改修を企図して申請された団体から、審査前に申請取り下げの連絡が届いたのです。理由は、「次年度助成に基づいて改修しようとしていた住宅の一部が、助成申請後崩壊したため、年度内に改修せざるを得なくなった」というものです。本当にギリギリのところで、現場が頑張っておられるということを実感した次第です。
以上のように、生活環境の整備の必要性は、十分理解しているつもりですが。一方で、もう少し工夫をしてほしいと感じる申請もあります。たとえば、できるだけ安く入手等するような見積もりがされていなかったり、必要性の事実は記載されているものの、それに期待する効果あるいは目的が明確でなかったりするなどです。
真如苑の信徒の皆様からのお気持ちを、支援の必要な子どもや現場に、できるだけ多く届けたいという気持ちをもっています。たとえ、備品一つであっても、そのことによって、子どものQOLがどう高まるのか、書類の向こうに子どもの笑顔、安心して生活している顔が見えると、審査員としても嬉しくなります。
残念ながら、今回助成対象外となったり、減額対象となったりした団体もありますが、この一年、先の見通せない大変な難局を、知恵を出し合って乗り切られることを期待しています。

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東京家政大学 平戸ルリ子先生
自立援助ホームが、児童自立生活援助事業として児童福祉法に制度化されて、早や20年以上経ちました。当初この事業は子どもたちが、中卒で社会人となるには、あまりにも世の中の状況が厳しく、ここから働きに出るための家を整える意味合いが強くありました。とにかく、当時は、制度の隙間を埋めることが急務で、十分な条件の建物や備品が揃わなくても、事業をスタートしたところが多くあったようです。その後、施設を経ずに自宅から直接来る子が増え、通学する子たちもかなりの数にのぼり、仕組みが措置制度に変わりました。自立援助ホームの経営は、措置費が入ることによって安定するはずだったのですが、残念ながら全国の自立援助ホームの経営状況は、安定しているとはいいがたい状況にあります。
そういう状態を反映しているからでしょうか。今回の審査書類では、事業の予算決算で人件費をかなり抑えているところが目立ちました。また、専任職員を雇用できず、予算化したのに、結局は非常勤職員や短時間アルバイトでどうにか運営しているというところもみられました。また、労働していないことから子どもたちからの月々の寮費もとれないところもあることがわかりました。現実として大変苦しい台所事情が見て取れたというところです。
一方、入るものが限られているのに、備品などは経年劣化していきます。今年度は新型コロナウィルスの関係から、ホームで過ごす子どもたちが多くいたことで拍車がかかったのでしょうか、日常的に使用するベッドや洗濯機、乾燥機、エアコン、保管庫など、とりあえず事業開始時に用意できるものでスタートした備品の劣化が激しく、新規購入の申請が非常に多くありました。数年前の申請では、建物の修繕に関わる環境整備事業が多く寄せられたことを記憶していますが、今回は圧倒的に備品の買い替えでした。
私自身は、備品の買い替えは、決して悪い申請とは考えていません。むしろそれらを含めて自由に使えるのが、真如苑助成の良さだと思っているからです。しかし、あまりにそればかりが続きますと、これは助成金で対応するレベルのものではなく、行政に予算化を求めていくべきものではないかと考えてしまいます。開始当初とは違い、全国の事業者数も増えました。全国団体などを通じて、国や自治体に、人件費や環境整備費用について、制度としてのサポートを、声に出して求めていく姿勢もこれからは必要なのではないでしょうか。
なお、申請書類の記述内容についてですが、審査を長く担当させていただいている立場から申しますと、最初のころに比べてかなりしっかりしたものが増えたという印象を持ちました。ここまでになるには、おそらく申請団体さん自身の努力や事務局の皆さんの細やかなアドバイスがあったことと思います。今回アドバイスを受けた点につきましては、ぜひこれからも意識していただければありがたいです。さらには、申請の理由欄に「これは自立援助ホームならでは」と納得できる理由を書いてくださると、なお良いと思います。例えば倉庫の申請であれば、「災害時の備蓄品倉庫」よりは「子どもたちが転出した際に残していった私物の保管」の方が説得力があります。これからも、子どもたちの生活の支援のために、本助成が有効に活用されることを願っています。

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2021年度 助成選考結果

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